令和元年度に「輸液・経腸栄養剤インストラクター」の委嘱を行って以降、
令和4年度にはその再委嘱を行い、定期的な会員への講習など活動を継続しています。
そして、今年1月、新たに「簡易懸濁法インストラクター」3名を委嘱しました。
この3名は日本服薬支援研究会が施行する試験に合格し、学会から簡易懸濁法認定
薬剤師として認定されています。
簡易懸濁法とは錠剤やカプセルを粉砕・開封せず、そのまま温湯に入れ崩壊懸濁させた
あと経管投与する方法で、経管投与が必要な患者さん以外にも嚥下障害のある患者さん
にも利用できる服薬支援の一つです。この方法が確立されるまでは錠剤を粉砕したり、
脱カプセル化していましたが、薬剤の製剤学的特性を考慮せず行うと薬効等に影響を
及ぼし、問題となっていました。
簡易懸濁法はこれらの問題を解決するとともに投与可能な薬剤数を粉砕法に比べ、約6割
増加させました。
今後も高齢化が進むにつれてその必要性が拡大する専門分野のため、インストラクターの
活動に期待しています。
当委員会は今後も医療施策の動向を注視しつつ、高齢者のポリファーマシー対策、褥瘡
およびスキンケア、抗菌薬の適正使用および地域フォーミュラリー策定などにかかる専門
知識を有する薬剤師を経年的に育成し、他職種および他地域薬剤師会とも連携しながら、
地域包括ケアが円滑に遂行できるよう取り組んでいきます。