沙羅双樹(さらそうじゅ)が見ごろと知って京都まで足をはこびました。
お釈迦さまが対になった沙羅の木のしたで亡くなったと伝わることから、
仏教において沙羅双樹は三大聖木のひとつとされ、日本では夏椿がそれにあてられています。
お薬を患者様にお渡しすることを「投薬(とうやく)」といいますが、この言葉は、
危篤になったお釈迦さまを助けるために天界から駆けつけた母親が薬を投げたという逸話が
由来だそうです。諸説ありますが涅槃図の右上には木に引っかかる薬の袋も見ることができるそうです。
沙羅の花は朝、花開くと夕方には散ってしまうため「一日花」ともよばれ諸行無常をうたう
平家物語の冒頭に出てくることでも知られています。苔むす庭とそこに落ちた白い花のコントラストを
ながめながら、毎日は永遠ではないとあらためて感じたのでした。